8-18-1800ルールとは
「8-18-1800ルール」とは、会議の目的に応じて最適な参加者数を設定するためのガイドラインです。このルールは、以下のように分類されています。
問題解決や意思決定の会議(8人以下の小規模会議)
参加者数は8人以下が適切です。これ以上の人数になると、意見の対立が増え、収拾がつかなくなる可能性があります。少人数であれば、迅速かつ効果的な意思決定が可能です。
ブレインストーミングの会議(18人までのブレインストーミング)
参加者数は18人までが推奨されます。多様な視点やアイデアを集めるためには、ある程度の人数が必要ですが、多すぎると意見がまとまりにくくなります。
情報共有や全体集会(1800人の大規模集会)
全社的な連絡事項やモチベーション向上を目的とした集会では、大人数を集めることで一体感を醸成できます。
近年、上司部下の1on1もスタンダードとなりつつある為、2人会議も加えると最適です。
上司と部下の1on1ミーティング(2人会議)
個別のフォローアップやキャリア支援、フィードバックを目的とする場合、1対1のミーティングが有効です。1on1では、個々の課題や目標に焦点を当てた密なコミュニケーションが可能となり、信頼関係の構築や成長支援につながります。

以降、本記事では1on1含めた、「2-8-18-1800ルール」と定義します
このルールは、会議の目的に応じて最適な参加者数を設定することで、効率的かつ効果的な会議運営を目指すものです。
なぜ会議の参加者数が重要なのか?
会議の参加者数は、その成果や効率に大きな影響を与えます。以下に、参加者数が会議に及ぼす影響をいくつか挙げてみましょう。
- 意思決定のスピードと質:少人数の会議では、コミュニケーションが円滑に行われ、迅速な意思決定が可能です。一方、大人数の会議では、多様な意見が交錯し、合意形成に時間がかかることがあります。
- 参加者の関与度:参加者が多すぎると、一人ひとりの発言機会が減少し、関与度が低下する可能性があります。適切な人数設定により、全員が積極的に参加しやすくなります。
- 会議の焦点維持:少人数では、議題に集中しやすく、脱線を防ぐことができます。大人数の場合、話題が拡散しやすく、会議の目的が曖昧になるリスクがあります。
このように、会議の参加者数を適切に設定することは、会議の成果を最大化するために非常に重要です。
会議運営のポイント
また参加者数と合わせて、会議運営の以下ポイントを押さえておくと効果的です。
- 会議の目的を明確にする
まず、会議の目的が1on1、問題解決、ブレインストーミング、情報共有のどれに該当するかを明確にしましょう。これにより、適切な参加者数を設定する基準が得られます。 - 必要最小限の参加者を招待する:
会議の目的に応じて、必要最小限の参加者を選定します。例えば、意思決定が目的の場合、関係者や専門家を含めた8人以下のメンバーを招集します。 - 参加者に役割と期待を伝える
招待された参加者には、会議の目的や自身の役割、期待される貢献を事前に伝えましょう。これにより、参加者は自分が呼ばれた理由や参加することの価値を理解し、モチベーションが向上します。 - 会議の進行を工夫する
参加者数に応じて、会議の進行方法を工夫します。少人数の場合はディスカッションを中心に、大人数の場合はプレゼンテーションやQ&Aセッションを取り入れるなど、目的に適した形式を選択しましょう。 - フィードバックを収集し、改善を図る
会議後に参加者からフィードバックを収集し、参加者数や進行方法が適切であったかを評価します。これにより、次回以降の会議運営の改善点を見つけることができます。
これらのポイントを意識することで、2-8-18-1800ルールを効果的に活用し、会議の質を向上させることが可能です。
まとめ
会議の効率と生産性を高めるためには、目的に応じた適切な参加者数の設定が不可欠です。
「2-8-18-1800ルール」は、1on1、意思決定、ブレインストーミング、情報共有といった異なる目的に応じて最適な人数を導き出すシンプルで非常にわかりやすいフレームワークです。
このルールを実践することで、
- 個々の課題や目標に焦点を当てた密なコミュニケーション(上司部下の1on1)
- 意思決定がスムーズに進む(8人以下の小規模会議)
- 多様な意見を引き出しやすい(18人までのブレインストーミング)
- 情報伝達が効果的に行える(19~1800人の大規模集会)
といったメリットを得ることができます。
また、参加者を適切に選定するだけでなく、会議の目的を明確にし、進行方法を工夫することも成功のカギとなります。
無駄な会議が多い、意思決定に時間がかかる、参加者が多すぎて意見がまとまらない…そんな悩みを抱えている方は、ぜひ「2-8-18-1800ルール」を試してみてください!
参考文献
著者.Harvard Business Review
出版年.June 03, 2014
Running Meetings (HBR 20-Minute Manager Series)