目次
概要（目的・背景）
データ分析の現場では、要素間の関係性を視覚的に把握することが求められます。特に、テキストデータ内の単語同士、従業員同士の関係を明らかにすることで、隠れたパターンやトレンドを発見できます。しかし、これを効果的に行うための手法やツールが不足していると感じる方も多いのではないでしょうか。そこで、MicrosoftのPower BIを活用して、共起ネットワーク図を作成する方法をご紹介します。Power BIは、データの可視化と分析を容易にするビジネスインテリジェンスツールであり、カスタムビジュアルを利用することで、共起ネットワーク図の作成も可能です。これにより、データ間の関係性を直感的に理解し、ビジネス上の意思決定に役立てることができます。
読み手（誰に向けた記事か？）
この記事は、データ分析に興味を持つ初学者から中級者の方々を対象としています。特に、Power BIを活用してデータの可視化を行いたいと考えているエンジニア向けに、共起ネットワーク図の作成方法とその活用法を分かりやすく解説します。また、従業員間の関係性を可視化できずに悩んでいる人事担当者にとっても、有益な情報を提供します。
ブログの目標設定（具体的な目標）
本記事の目標は、以下の通りです。
・共起ネットワーク図の活用シーンとメリットの把握：共起ネットワーク図を使用することで得られるメリットや、具体的な活用シーンを紹介し、読者が自身の業務に応用できるようにします。
・Power BIでの共起ネットワーク図作成手順の習得：Power BIを用いて共起ネットワーク図を作成する具体的な手順をステップバイステップで解説し、読者が実際に作成できるようにします。
これらの目標を達成することで、読者の皆さんがPower BIを活用して効果的な共起ネットワーク図を作成し、データに基づいた意思決定を支援できるようになることを目指します。
方法（アプローチ・使用技術）
共起ネットワーク図
共起ネットワーク図は、ネットワークグラフとも呼ばれ、要素間の関係性をノード（点）とエッジ（線）で表現するビジュアル手法です。特に、テキストデータにおいて特定の単語やフレーズが同時に出現する頻度やパターンを視覚的に示す際に用いられます。これにより、データ内の関連性や構造を直感的に理解することが可能となります。
人的ネットワーク図として表現した場合の読み方を以下にまとめます。
プロジェクトや組織の視点で、人もつながりをインプットデータを作成し、共起ネットワーク図にすることで多くのインサイトを得ることができるため、ぜひとも1度試していただけますと幸いです。
データの取り込みを完了したPower BIファイルは下記の添付ファイルです。サンプルデータを取り込んだテーブル・ビジュアルを完了していますので、添付ファイルを操作して共起ネットワーク図の動作イメージをご確認ください。
共起ネットワーク図 作成手順
1.共起ネットワークをインストールする
①.以下のサイトより、ビジュアルファイルを取得します。ブラウザからリンク先へ遷移する。
Releases · microsoft/PowerBI-visuals-NetworkNavigator
②.リンク「network-navigator-2.1.0.250.pbiviz」を選択する。
③.ファイルをダウンロードする。
④.Power BIを起動して、ビジュアルの一覧より「・・・」を選択する。「ビジュアルをファイルからインポート」を選択する。
⑤.「インポート」ボタンを押下する。
⑥.ダウンロードしたファイルを選択して、「開く」ボタンを押下する。
⑦.ビジュアルのインポートは完了です。
2.共起ネットワーク図を設定する。
インポートするデータの構成は以下です。
Node：SourceName、Distination Name
Weight（線の太さ）：Weight
※Weightは過去にプロジェクトを共同で行った回数を想定して設定します。
①.ビジュアルより「network-navigator」を選択する。
②.以下を設定する。
Source Node：Source Name
Target Node：Distination Name
Edge Weight：Weight
※他の設定項目はNodeの色・太さなどの設定です。任意で設定してください。
③.Nodoが誰かわからないので、ビジュアルの書式設定よりLabelsを「ON」にする。
以上で共起ネットワーク図の完成です。
すべて表示してしまうとノードが多く、把握が難しいため、組織や役職のフィルターを活用すると、見易くなります。
まとめ（結論と今後の展望）
Power BIを使った共起ネットワーク図の活用は、データの関係性を視覚的に捉えやすくし、分析の効率を大きく向上させる手法です。本記事を通じて、共起ネットワーク図が単なる視覚的なグラフではなく、データの背後にある情報を理解し、深いインサイトを得るための強力なツールであることが明らかできたと思います。共起ネットワーク図の活用は、分析者の視点を広げると同時に、データの新たな価値を引き出す第一歩です。今後も技術の進化に合わせて、新たな分析手法を積極的に取り入れながら、さらなるインサイトの発見に貢献できますと幸いです。